「カプセルトイで世界平和」は可能か?
壮大すぎる夢を子どものように語る『コップのフチ子』仕掛け人
こうした同社の活動を、従業員はどう捉えているのか。取材に立ち会っていた広報アシスタント・藤原ミュウさんに尋ねてみると、「自分の仕事が世界の社会貢献に繋がっていると思うと、励みになりますし、世界が広がります」と答えた。そんな部下の言葉に、古屋氏は「真面目か! もっとおもしろいこと言え!(笑)」と茶化しつつも、満更ではない様子だ。
だが、子どもたちへの支援を行うなかで、改めて実感した問題もある。それは、現在の日本の育児の在り方だ。三児の父である古屋氏は、休日になると息子たちと一緒に公園で遊ぶことも多い。そこで見掛ける親子の距離感や子ども同士の交流の価値観に、疑問を感じるという。
「息子と公園に行ったら、僕も砂場とかで一緒に遊ぶんです。でも、ほかの親は近くのベンチから見ているだけなのが不思議なんですよね。それに、先週末も僕と息子ででっかい砂山をつくっていたんですが、そうなるとほかの子どもたちが興味津々で近寄ってくる。そうなれば、その子たちと一緒に遊ぶのが自然だと思うんですが、それを見ていた親が止めるんです。『余所様がつくった山だから』とか『汚いからやめようね』って。いやいや…(苦笑)。子どもたち同士一緒に、好きなように遊ばせればいいじゃないですか! なぜ、子どもたちの自然な交流の場を奪ってしまうのか? すごくショックな出来事でした。こうした希薄な社会も何とかしたいですよね」(古屋氏)
独創的なアイデアを武器に「おもしろさ」や「楽しさ」を届けてくれるキタンクラブ。同社の社会貢献活動は始まったばかりだが、今後は子どもたちへの支援においても、ユニークな企画で我々を楽しませてくれることに期待したい。